東京理科大学
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長野 瑞樹

東京理科大学工学部建築学科夜間主社会人コース3年

経 歴

  • 東北大学経済学部経営学科 卒業
  • 現職:株式会社リクルート じゃらんリサーチセンター 研究員

 私は民間企業で観光に関する調査・研究の仕事をしています。観光とは、その地域の光を観る、つまり地域ならではの魅力を読み解いて多くの人に感じてもらうことですが、ある建築家が「建築を考えることは、もともとある地域の文脈やストーリーを踏まえたときに、ここに何があるべきかを考え抜くこと」と話していたのを聞き、「観光と似ているな」と思ったのが建築を学ぼうと思ったきっかけです。そして、観光というソフトと、建築というハードの両面を学び、活かしていくことで、総合的に地域をデザインできる人材になりたいという想いから入学を決めました。

 学生生活は、時間という意味で正直かなりしんどいです。会社や家族にもたくさん迷惑をかけてしまっています。ただ、同級生は皆同じ境遇ですし、自分より忙しそうなのに自分より頑張っている人もいます。そんな皆で支え合いながら苦しい日々を乗り越える、こんな経験は一度社会に出るとなかなか訪れません。同級生との出会いは、言葉や数字では言い表せられない、大きな価値があります。

 社会人コースのカリキュラムはとても実践的で、かつ応用が利きます。最新のAI・データサイエンスの領域から建築エンジニアリング、生け花や音楽といったアート領域に至るまで、幅広いジャンルの話を聞く機会が多いです。そしてそれらが建築だけでなく、仕事の方にも活かせた経験が何回もありました。近年はビジネスも学問も、単一分野だけでなく2つ以上の領域を掛け合わせることで、より新たな価値を生み出せる世の中だと思いますので、多くの気づきを得られているこの時間が非常に貴重だと感じます。

 また、これは建築系の学科の特徴かもしれませんが、とにかくアウトプットを出す機会が多いです。時間もなく、毎回100%納得のいくものを仕上げることが難しい中で、「今回はここまではやり切る」と自分の中で決めながら取り組みます。これが仕事でもアウトプットを量産するための非常に有効なトレーニングになっています。

 私の場合、まず学びたい意欲が強く、卒業後の具体的な進路を明確に描いてはいませんでしたが、幅広い学びの場とアウトプットの繰り返しにより、なんとなく次にやりたいことも見えてきました。入学して1年半で大きく視界が変わったので、卒業時にはまた変わっているかもしれません(笑)。

 将来の選択肢を広げる意味でも、日々訪れる成長の機会に貪欲に向き合っていきたいです。