松丸 晴香
経 歴
- 法政大学経営学部 卒業
- 東京理科大学工学部建築学科夜間主社会人コース 卒業
- 現職:JETRO London
私が中学生の頃から、生まれ育った地域が大規模な開発対象となり、毎年変わりゆく街を近くで見てきました。そのような環境下で建築の役割や都市開発への興味を持つようになり、コロナ禍で何かできることはないかと考えた結果、それまでずっと心のどこかで望んでいた建築学科への入学を決意しました。
建築学科の社会人コースに入学する前は建築についてほとんど知識がありませんでしたが、その分、未知の世界の学びは私にとって非常に豊かで多様なものでした。
まず、カリキュラムのバラエティに富んだ内容に驚かされました。建築学科というと設計製図の授業が中心になると思われがちですが、実際には多種多様な授業が用意されています。建築理論、アーティストや専門家の方々による実務的な講義、さらには(私は元々文系出身だったため)物理や数学の授業も含まれています。
また、実際に設計事務所を持つ建築家の方々のお話を聞く機会も貴重でした。それぞれのプロジェクトに込められた意図やデザインの背後にあるストーリーを知ることで、建築に対する理解が深まりました。デザインには一つ一つ意味があり、それを探求する楽しさを感じることができました。
そして私が4年生になった頃、イギリスで働くことを決め、最後の1年間はオンラインで学ぶことになりました。時差の関係で、朝5時からゼミに参加し、そのまま勤務へ向かう日々が続きました。一人だけオンラインであったにも関わらず教授は毎回丁寧に指導してくださり、感謝の連続でした。さらに、日々ヨーロッパの建築を実際に見て回る中で、授業で学んできた歴史やデザインの意味を再確認する機会となりました。
仕事と勉強の両立はタイムマネジメントの面で大変でしたが、振り返るとそれ以上にクラスメイトとの助け合いや楽しい思い出が多いことに気付きます。入学当初は、これほど充実した日々を送れるとは想像していませんでした。
社会人コースに入るためには、明確な目標や意志が必要だと思われがちですが、私の経験から言うと、それほど堅苦しいものではありません。入学後に「これが正しい決断だった」と感じられるような経験を重ねていくことが重要だと思っています。このコースには、そのような成長の場が用意されています。素晴らしい先生方やクラスメイトと共に、ぜひ建築と向き合ってみてください。