冨田 綾子
経 歴
- 東京理科大学工学部建築学科夜間主社会人コース 卒業
- 現職：建築設計事務所 設計職
建築を学ぶのは「楽しそう」と単純に思ったことが社会人コースに入学するきっかけでした。そんな気軽なきっかけだったので、建築の世界にいれば誰もが知っている建築物や建築家のことも当時は全く知らず、無知の知という意識で入学しました。
働きながら学生生活を送ることは想像していた以上に大変でしたが、お互いに励ましあえる同級生の存在がいたおかげで卒業できたと思います。励ましあえる存在がいるという点が社会人コースの魅力ではないかと思います。
入学当時は、建築とは無縁の精密機器メーカーの特許部門で働いていました。定年まで働くことを考えた場合、ちょうど折り返し地点にいたこともあり、残りの半分は新しい事にチャレンジしたいと考え転職を決意し、運良く建築設計事務所の設計職に転職することができました。
社会人コースでは、多種多様な建物について説明をしてくれたり、時には実際に建物を見に行ったりする機会が多くあります。そのような事を繰り返すうちに、建物を建てる仕事に関わりたいと思うようになりました。また、自分にはクリエイティブな才能は無いけれども、前職の特許の仕事のように黙々と作業する仕事は向いていると思ったので、未経験でしたが設計職にチャレンジすることにしました。
現在設計の仕事をする上で学生時代にもっと勉強しておけばよかったと思う事がしばしばありますが、反対に3Dソフトなどは学生時代に学べてよかったと思っています。ファミコンで育った世代からすると、3Dソフトを習得するにはかなりハードルが高いです。しかし、わからないことは同級生や先生などに教えてもらえるという環境が社会人コースにはあるので、3Dソフトも抵抗なく学ぶことができ、現在の仕事に大いに役立っています。
「楽しそう」という理由だけで入学した当時からすると、卒業後に建築の世界に転職するとは全く想像していませんでしたが、卒業した今だから思うのは、社会人コースは「人生の転換点」となるきっかけを与えてくれた場所だと思っています。