早川　奈保子

東京理科大学工学部建築学科夜間主社会人コース４年

経　歴

• 青山学院大学文学部史学科　卒業
• 現職：家具インテリアメーカー勤務

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社会人として建築を学ぶおもしろさ

　私は人のくらしに興味があり、文系の時は“平安時代の暮らし”を研究し、現職はインテリア・家具メーカーに勤務しています。

　インテリアはくらしに携わる仕事ですが、空間そのものをつくるために“建築”を学びたいと考えていたこと、また忙しく過ぎていくだけの日々の中で、“何かを変えたい。”と考えていたこと、これらにより、様々な分野の学びを検討する中で、アカデミックな学びを得ることができる理科大の建築学科に入学しました。

　学生生活は、社内１忙しいといわれる部署の仕事との両立は大変で、毎日１時間早く出勤し、早く退勤し、大学へ通う生活です。決して楽ではなく、どうやって時間をつくるか、課題をどうやってこなすか常に試行錯誤しました。授業はオムニバスと対面の授業のため、年齢や職業・背景の異なる様々な学友と切磋琢磨できること、みんな必死で頑張っていることで一緒に頑張ることができます。また大学での学びによって仕事に役にたつこともあり、相乗効果がありました。そして何より、ある意味、現実と離れて“どっぷり浸かって学ぶ時間”がもてることを有意義に感じました。授業の内容については、理系の難しい授業についていけるか不安もありましたが、補修や、サブ資料など様々なフォロー体制があり、未知の分野の理解を深めることができました。また、昼間の研究室に参加でき、アカデミックに建築を深めることができます。

　授業以外には、夏のサマースクールに参加し、対象の敷地を訪れ、場所の歴史や暮らし、地形などを実地で調査し、提案を行いました。同じ課題を、複数の大学が取組み、調査過程や建築提案を相互に共有することで、学外の同じ建築を目指す仲間と学び合え、アプローチや手法が異なることなどを学びました。

　国際ワークショップにも参加し、現地の学生とリサーチやディスカッションを行い、それに基づき建築の提案を行いました。海外は考える順序や、そもそもの考え方や捉え方、模型の作り方、アウトプットも異なることを体感しました。また、街によって、国によって、考えも違えば建ち方も違う、そこにいる人が、暮らしが違うということなど、あらためて多くの事を感じ学ぶことができました。

　２年半を振り返ってアカデミックな建築から、実際のリアルと繋がる建築まで学ぶことができ、面白さを感じています。また、何気なくみていた日常の風景や、経験もそれもまた建築に繋がるとわかり、日々新しく、また面白いです。忙しいながらも充実した生活を送っています。

　足を踏み入れてみなければわからない、建築の奥深さと面白さ、そこでしか視えない新しい景色にぜひ足を踏み入れてほしいなと思います。