齋藤 紗織
東京理科大学工学部建築学科夜間主社会人コース３年
経 歴
- 足利大学工学部建築学科 卒業
- 鹿島建設株式会社 建築設計部 勤務
私は工学部建築学科卒業後、現在は、建設会社の建築設計部に勤務し、建築設計の仕事に従事しています。社会人として経験を積む中で、建築への向き合い方や学び方が変化していき、再び学び直す決意をし、大学への入学を決めました。
入学してからは、毎日が驚くほど速く過ぎ、多くの課題に日々追われていますが、その都度プロセスを大切にして取り組むようにしています。
多くの建築家の先生方、異なる世代やバックグラウンドを持つ同級生との出会いは、私にとって大きな刺激となっています。このような環境の中で、以前は受け身だった学びが、主体的に学び、考える意識へと変化させてくれました。
仕事をしながら大学に通うことは決して簡単ではありません。職場の理解が不可欠であり、時間の管理も重要です。それでも、自分の「やりたいこと」を意識しながら取り組む日々は充実しています。限られた時間の中でじっくりと建築と向き合い、自分自身の考えを模索して形にしていく。このプロセスの積み重ねが、自分を大きく成長させていると感じています。
大学では、建築設計だけでなく、構造や設備、施工、防災といった幅広い分野を総合的に学ぶカリキュラムがあり、建築を多角的に捉える力を養っています。特に、歴史的背景を学ぶ日本建築史や世界建築史では、過去の建築がどのように生まれ、どのように変化してきたかを知ることで、建築がもつ時間的スケールや文化的背景の深さに触れることができました。この学びが、設計を言語化し、自分の考えを具体化する上での土台となっています。
設計製図の授業では、「敷地」を読み解く、周辺環境や街並み、さらにその地域が歩んできた歴史的背景を含めた全体像を理解する重要性など数多くのことを学びました。また、模型や図面、スケッチを何度も行き来しながら、さまざまな切り口で検討をすること。この繰り返しの中で、自分なりの「カタチ」を模索し、建築を学ぶプロセスの楽しさを感じています。
そして「建築を言語化する」ことの大切さです。
以前は、自分の考えをまとめたり、それを他者に伝えたりすることが得意ではありませんでした。漠然としたアイデアが頭の中を行き交うばかりで、それを具体的な形や言葉にすることに苦手意識を持っていました。
言語化することの積み重ねで、自分の中で曖昧だった設計意図を整理し、明確にすることが少しずつですができるようになってきました。
今は、学生の立場だからこそ「学べること」や、「わからないこと」をわかるまで追求できる貴重な時間を大切に過ごしながら、建築の奥深さを改めて実感しています。これからも新しい挑戦や発見を大切にしつつ、自分のペースで建築と向き合い、仕事にもつなげていきたいと考えています。